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2026年3月17日火曜日

しおさとまつり2025

行ってきました友人が代表する狂言。
とても面白かったですよ!

しおさと祭り20260315 by sigeyuki.okabe1095


  ご挨拶

本日は、「しおさとまつり 2025」にご来場、誠にありがとうございます。 玉野しおさい狂言会は、玉野がしおづくりの里つまり“しおさと”であったことを、狂言という日本古来の伝統芸能を使い、笑いながら学び笑いながら伝える活動を行ってきております。

2009(平成21)年、玉野市東部の山田地区から始まったこの活動は、笠岡市在住の大蔵流狂言師・田賀屋夙生師にご指導を仰ぎ、練習を重ねて参りました。拙い舞台ではございますが、最後までお寛ぎいただき、大いに笑っていただければ幸いに存じます。

本日の新作狂言は、「常山女軍哀史」で有名な常山城が1575(天正3)年に落城してから450年に当たることから、創作狂言「語り、常山城物語」を上演することとしました。備中兵乱最後の砦となった常山城では、城主上野隆徳の妻・鶴姫と侍女34人が攻め来る毛利軍勢に果敢に挑みましたが、あえなく壮絶な自害を遂げ常山城は落城してしまいました。この「常山女軍」の霊を慰めるために、常山山頂の城址には供養塔が建てられ、地元では毎年8月に供養祭が行われています。

本日の「しおさとまつり」は、多くのご企業・団体、個人の皆様から貴重なご芳志を頂いております「玉野みなと芸術フェスタ」との共催として開催しております。本紙面をお借りして、ご協賛賜りました多くの皆様方に厚くお礼申し上げます。誠にありがとうございました。

今後とも会員一同、精進して参りたいと存じます。最後までご高覧賜ればありがたく存じます。 皆様のご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げ、「しおさとまつり 2025」開催に当たってのご挨拶とさせていただきます。

令和 8年 3月 吉日 玉野しおさい狂言会 代表 斉藤 章夫


運営・協力団体

  • 主催:玉野しおさい狂言会

  • 共催:玉野みなと芸術フェスタ実行委員会 NPO法人みなと・まちづくり機構たまの

  • 後援:玉野市、玉野市教育委員会、玉野市文化協会、(財)玉野産業振興公社、(公社)玉野市観光協会、玉野商工会議所、玉野商工会議所青年部、玉野商工会議所女性会、玉野市コミュニティ協議会、玉野市女性団体連絡協議会、三井・三菱玉野協力会、瀬戸内国際芸術祭たまの☆おもてなし推進委員会、玉野SDGsみらいづくりセンター、山陽新聞社、倉敷ケーブルテレビ

  • 協力:田賀屋狂言会

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    プログラム

    第1部 古典二題 (三本柱 素襖落)

    ◇ 『三本柱』(サンボンノハシラ) (約30分)

    • 粗筋:果報者が家を普請するのに山に切って置いていた三本の柱を、3人の召使いに「3人が2本ずつ持って帰ってこい」と取りに行かせる。山へ行った3人は色々試しやっと問題を解き、謡を謡いながら帰ってくる。その謡に果報者も浮かれて、3人の者を家へ迎え入れ…

    • 出演:果報者/広坂武昌、3人の召使い/成瀬和恵、脇坂延子、相澤恵子

    ◇ 『素襖落』(スオウオトシ) (約40分)

    • 粗筋:急に伊勢参りに行くことにした主人は、伯父の所へ太郎冠者を使わせる。太郎冠者が伯父から餞別を貰うと伯父の家の者へ土産物を買わねばならないので「お供はまだ決まってない」と言うよう命じる。伯父に問い質された太郎冠者は「自分が行く」と言ってしまい…

    • 出演:太郎冠者/斉藤章夫、伯父/成山佳子、主人/西村秀子


    —— 休憩 ——

    第2部 新作狂言とプロ狂言師による古典狂言

    ◇ 新作狂言 『語り、常山城物語』(カタリ、ツネヤマジョウモノガタリ) (約20分)

    • 粗筋:一族が次々と絶命していく中、城主の妻鶴姫は鎧をまとい帯を締め、刀を携え「この戦場を西方浄土として修羅の苦患も極楽と思えば、何ぞ苦しかるべき」と袖振り切って出陣。後に続く34人の女房たち。鶴姫は長刀を振り回し、敵将・浦野宗勝に一騎打ちを迫り…

    • 原作:広坂武昌 (田賀屋狂言会事務局長)

    • 出演

      • 馬の轡取り・与助の霊/広坂武昌

      • 語り部壱/成山佳子

      • 語り部弐/成瀬和恵

      • 語り部参/西村秀子

      • 語り部四/相澤恵子

      • 語り部五/脇坂延子

      • 語り部六/小坂蓮子

      • 城主上野隆徳の霊/斉藤章夫

    • 備考:※ 新作狂言は、玉野公演のみでの演目となります

    ◇ プロ狂言師による古典狂言 『胸突』(ムネツキ) (約20分)

    • 粗筋:お金を借りたまま返さない男に業を煮やした貸手は、男(借手)の家へ返済の催促に行く。どうしても今日返すと言わない男と返済を迫る貸手は、もめた末に押し問答になる。男は急に「胸を打たれて痛くて死にそうだ」と言い出し貸手は困ってしまう。すると…

    • 出演:借手/島田洋海、貸手/田賀屋夙生


    • 常山城落城の概要と歴史的意義

      常山城の戦いは、毛利氏と、織田信長に呼応して毛利氏から離反した備中の戦国大名・三村氏との間で起こった「天正備中兵乱」の最後の戦いです。城主・上野隆徳は三村氏とは血縁関係にあり、備前における三村氏の重要な拠点でした。毛利氏は三村氏の本拠である備中松山城を陥落、残る三村氏所縁の城を攻略し、最後に残ったのが常山城でした。

      天正3年(1575)6月4日、毛利方の小早川隆景率いる大軍が常山城を包囲。城方の兵は僅か200人。多勢に無勢でした。上野隆徳は自ら鉄砲を持って応戦しましたが、6月7日城内に敵兵が侵入、落城は目前でした。落城を覚悟した隆徳は、一族の者たちと最後の酒宴を開きました。その後、隆徳の継母や長男、次男、妹らが次々と自害。隆徳の妻・鶴姫(三村元親の妹)は、甲冑を身につけ、長刀を携えて侍女34人と共に敵陣に切り込みました。奮戦虚しく、鶴姫は「これにて後生を弔ってください」と言い残し、城内で自害。鶴姫の最期を見届けた上野隆徳も切腹、終に常山城は落城しました。

      常山城はその後、毛利氏の支配下に置かれ、その後宇喜多氏の家臣・戸川秀安が城主となりました。常山城跡には今も、上野隆徳夫妻や鶴姫の侍女たち34人の供養塔が残されており、「常山女軍」の悲劇として語り継がれています。

      鶴姫と女軍の戦いは、戦国時代において女性が自ら武装し、戦場に赴いた稀有な事例としてその歴史的意義は高く評価されます。鶴姫の行動は、単なる自決ではなく、一族の誇りと武士の義を貫くための勇敢な選択であったとされています。

      常山城跡には、隆徳と鶴姫の墓を取り囲むように34人の女性たちの墓が今も残されており、彼女たちの壮絶な最期を今に伝えています。この供養塔は昭和12年(1937)に有志によって整備されたことをきっかけに、毎年お盆の時期(山の日)に「常山城女軍供養祭」が行われ、昨年(2025)51回目を迎えるなど、その物語は現代まで大切に継承されています。

      常山城の歴史は、地域を巡る激しい争いとその中で生きた人々の悲劇と覚悟を今に伝える貴重な遺産であり、特に鶴姫と女軍の物語は、戦国時代の女性が単なる守られる存在ではなく、時には自ら運命を切り開く強い意志を持っていたことを示唆する重要な記録と言えます。地元の常山観光協会は女軍の意思を語り継いできたし、最近では、地域の大人達が「常山歴史文化を学ぶため『研究会』」を結成し、荘内中学校では「常山を日本遺産にしたい」と活動をスタートしました。

      玉野しおさい狂言会は、昨年8月常山城落城450年に当り、常山城への人々の思いを長く記憶に留める機会とすべく、「常山城落城450年供養祭」を開催させていただきました。本日の新作狂言は、その供養祭に披露したものと同じです。

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